2016年に入り、上海市では個人所得税の申告システムが変更されています。今回は個人所得税の申告を取り上げたいと思います。

 

 個人所得税の申告に際しては、パスポートNo、収入金額、免税項目、社会保険情報、等の情報を入力して進めていくこととなります。(※現在、上海においては、外国籍従業員の社会保険加入は強制されておりません)

 その入力が必要な情報の中に、中国での活動状況を選択する欄が設けられました。この選択により個人所得税の計算公式が決定される、という流れになります。具体的な選択肢及び計算公式は下記のとおりです。

 

活動状況「1、(中国滞在日数が)90日或いは183日を超えない」

 ⇒ 計算公式 

(当月国内外給与総額に係る課税所得×適用税率-速算控除)×(国内支払給与/国内外給与総額)×(国内業務日数/当月日数)

活動状況「2、(中国滞在日数が)90日或いは183日以上1年」

 ⇒ 計算公式

   (当月国内外給与総額に係る課税所得×適用税率-速算控除)×(国内業務日数/当月日数)

活動状況「3、(中国滞在日数が)1年から5年」

 ⇒ 計算公式

   (当月国内外給与総額に係る課税所得×適用税率-速算控除)×(1-国外支払給与/国内外給与総額×国外業務日数/当月日数)

活動状況「4、(中国滞在日数が)居住満5年以上」

 ⇒ 計算公式

    当月国内外給与総額に係る課税所得×適用税率-速算控除

活動状況「5、外国籍高級管理職で(中国滞在日数が)90日或いは183日を超えない」

⇒ 計算公式

  (当月国内外給与総額に係る課税所得×適用税率-速算控除)×国内支払給与/当月国内外給与

 

 この中で注目すべきは活動状況「5、外国籍高級管理職で90日或いは183日を超えない」のパターンです。この活動状況に該当する可能性があるのは、出張ベースで総経理をされる方です。このような場合、業務のベースは日本にあり、中国での業務はあくまでも出張という位置づけとなり、中国現地法人からの給与支給はされないことがよくあります。
 その状況で、この計算公式を適用すれば、国内支払給与がゼロであるため、納税額もゼロとなります。
 実は従来から通知には記載されているもので目新しいものではありません。但し、実務上は、この計算公式の適用を認めてくれないような税務局の徴収姿勢があり、納税を余儀なくされることがよくありました。実務の運用がどのようになっていくかは今後の推移を見守るよりありませんが、このように活動状況によって適用される計算公式が明確になったことは望ましいことであることは間違いありません。