税理士法人名南経営 国際部ブログ

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2017年12月

ベトナム政府は、本年2月24日、政令20/2017/ND-CPを公布しました。本政令は、
移転価格税制について以前の規定を修正し、また、新たな規定を含んでいます。
これらのうち、今回は移転価格文書について、概要をお伝えいたします。

 まず、この政令では準備すべき移転価格文書として、OECDの税源浸食と利益
移転( Base Erosion and Profit Shifting (BEPS) )の行動13に基づいた3種類の
移転価格文書が規定されています。


・グループ事業に関する情報 (グローバルマスターファイル)
・ローカル移転価格文書 (ローカルファイル)
・国別報告書


そして、これら移転価格文書作成の免除要件が、以下のように規定されています。


・その年度の売上高が500億VND(約2.5億円)以下、
 かつ、関連会社との取引合計額が300億VND(約1.5億円)以下の企業
・事前確認制度(APA)により取引価格を事前に確定する企業
・単純機能の事業を運営する企業であり、1年間の売上高が2,000億VND(約10億円)以下、
 かつ、EBIT(支払金利前税引前利益)の売上に対する割合が次に該当する企業
 →流通業5%以上/製造業10%以上/加工業15%以上

なお、これらの場合であっても、企業所得税の確定申告時には、関連者情報を
所定の様式により所轄の税務局へ提出する必要があります。

 上述の規定により移転価格文書作成の免除を受けられない場合、移転価格文書は、
企業所得税の確定申告時までに作成し、保管しておく必要があります。

また、税務調査時において、税務局から移転価格文書提出要請を受けてから15日
以内に移転価格文書を提出しなければなりません。

 平成29年3月期から、租税条約の相手国において条約で定める限度税率を超
えて課される外国法人税の額(限度税率超過税額)は損金算入が可能となって
います。これは、26年度改正で国際課税原則が帰属主義へ見直されたことに伴
い、限度税率超過税額について「外国税額控除の対象とならない金額」とする
改正が行われたことによるものです。( 法令142の2 8 五)。平成28年4月1日
以後に開始する事業年度から,高率負担部分等と同様に外国税額控除の対象外
=損金算入となっています。

  また、平成26年7月9日付で、関連する通達「租税条約による限度税率超過税
額」(旧法基通16-3-8)も削除されています。これまでは限度税率超過部分
について,還付を受けるまで仮払金等として資産計上する必要がありましたが、
改正に伴い,仮払金等として累積されてきた過去の限度税率超過税額を損金算
入することも可能になりました。しかし,恣意的なタイミングで損金算入して
いるとされた場合や、何期にもわたって取り崩しているような場合は問題視さ
れる可能性が高いため,処理の合理性等を示す資料を揃えておきたいところで
す。

海外進出を予定している企業様と面談させていただく時に、「資本金を幾ら
にすれば法人が設立できますか」、と質問を受けるケースがあります。各国、
そして業種により、資本金の金額が制限されているケースがあり、任意に設定
できないこともあります。そのため、設立前の計画作成時に調べておくことが
重要です。

 そして、資本金の設定時に各国共通で気をつけていただくべきことは計画に
基づいた金額で資本金を設定しているか、という点です。なるべく小さな投資
で始めたいという意向は十分に理解できますし、そうすべきケースもあると思
います。しかしながら、資本金を低く設定していると、資金が足りなくなり海
外現地法人へ資金を送る必要がでてきます。増資や借入時は進出国にもよりま
すが、届出の提出、申請書の提出等の手続きが必要になるケースが多くありま
す。また、その手続きが日本に比べて簡易でなく手続きに時間を要する場合が
あります。

 小さな資金で始めることも重要ですが、計画に基づきある程度余裕資金を準
備して投資いただくことをお勧めします。

国際部では、定期的に少人数勉強会を開催しております。

先日は、すでに海外進出されているお客様を対象に、(株)IIJグローバル
ソリューションズ様との共催で、
「本社が抑えておきたい 現地法人管理のポイントと効率化」
と題した勉強会を開催いたしました。


今回は問題が大きくなりがちではありながらも、十分な対策が取りにくい
「現地での不正」による問題をメインで取り上げました。


なぜ現地法人で不正が起こりやすいのでしょうか?


1950年代にドナルド・R・クレッシーにより提唱された
「不正のトライアングル」によると、職業上の不正は、

(1)動機・プレッシャー…社内の立場(業務管理)や個人的な問題により、不正行為を働いてしまう
(2)機会の認識…不正を行うことが可能と認識している
(3)姿勢・正当化…都合のよい理屈を作り、不正行為を実行してしまう


の3要素から構成されるということです。


海外現地法人においては、現地管理者の業務範囲が大きくなりがち((2))
なうえ、本社からの管理が行き届かない事も多く((2)、(3))、かつ結果を
出すことを求められていたり、処遇への不満があったりと((1))この3要
素がそろう可能性が高くなり、不正が発生しやすくなると考えられます。

全ての要因を取り除くことは難しいでしょうが、不正を未然に防ぐためには、
ルール化による内部管理体制を構築することが必要です。
特に複数人によるチェック体制を確立し、業務が一人で完結してしまう体制
を変え、けん制機能を働かせることが肝になるでしょう。


今回は、本社から現地の会計についてのチェック機能を働かせるための一つ
のご提案として、クラウド型アウトソーシング会計サービスGLASIAOUSのご紹
介もさせていただきました。


GLASIAOUSでは、現地法人の元帳までリアルタイムで日本語による確認が可能です。
ブラックボックス化しがちな現地の会計を可視化し、チェック機能を効率的
にはたらかせることができるようになります。


ご関心のございます方は、ぜひ弊社までお問い合わせください。
(参考)http://www.meinan-partners.com/glasiaous.html


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