中国現地法人の業績をみる場合、よく本社の方からご質問を受けるのが、「中国は現金主義なんだよね?」とか、「中国は発生主義ではなくて、発票主義なんだよね?」ということがあります。非常によく言われる話ではあるのですが、今回はこちらをとりあげてみたいと思います。


 誤解のないように最初にお伝えしたいのが、「中国は発生主義である」ということです。ただ、その「発生」という根拠を何に基づいて確定するのか、ということですが、出荷基準もしくは検収基準ではなく、発票にもとづいて確定する、という発票基準が一般的に用いられます。ただし、これが日本本社の売上確定基準とは異なるために、上場企業の連結作業においては、発票基準からの調整にもとづいて連結パッケージ等を作成することが求められることとなります。

(但し、実務上、重要性基準にもとづいて、修正せずに取り込んでいるケースも当然あります。)


 しかし、発生主義ということであれば、発票基準以外の基準の選択可能性があるのか?という相談を受けたこともあります。これは税務局の判断次第ですが、一般的には毎月申告している決算書の売上が増値税発票の発行記録と一致していることを求められることとなりますので、実務的には発票基準以外の基準の選択余地はかなり厳しいものといわざるをえません。


 さらに、発票主義だとしたら、日本でいう出荷基準に合わせようとすれば、極論出荷の際に発票も作成して一緒に出荷すればいいじゃないか?という意見もあるかと思います。それを妨げているのが、「発票は
1回発行すると、修正するのが煩雑である」ということと、「発票の発行に伴い、売上増値税の納税義務が生じる」ということとなります。前者の理由により、実務上は、出荷し、先方に検収された後、自社と売り先の担当者で最終すり合わせを行った後に発行するのが一般的ですので、出荷基準・検収基準とのタイムラグが生じます。また、後者の理由により、自社の財務担当者が発票発行のタイミングを調整するケースがあり、結果タイムラグが生じてしまうこととなります。


 一方で、在庫の計上については、上記売上のような厳密な発票基準は求められておらず、見積で在庫計上を行うことは可能です。(なお、最終的に損金処理をするためには、発票は必要です。)その意味では、少なくとも在庫については、日本と同一基準で在庫計上を行っておくことが望ましいといえます。結果、発票基準からの調整においても、作業量を減らすことができます。いざ、発票主義の調整を行うに際して、在庫計上から調整するよりも、売上・原価計上だけに絞って作業すればいいこととなりますので、発票主義の調整を行っている先については、ぜひご検討ください。