元の引き下げ、上海総合指数の急騰と下落、天津における爆発事故、と否応なしに中国リスクを意識する事象が継続しています。このような状況が続くと、中国に余剰資金をストックしておくことはリスクが高いとして、相談があがってくるのが、「配当」「減資」の2点です。

 中国現地法人に余剰資金があるのか?と思われる方も多いかと思いますが、直近は業績が悪化していても、過去に業績が好調だった期間があるケース、さらに尖閣問題等を起因として中国事業の事業計画の大幅な変更を余儀なくされ、当初想定していただけの投資金額が不要になったケース等、中国現地法人に余剰資金があるケースは無い訳ではありません。

 

 今回は、配当と減資について取り上げてみたいと思います。

 

 まず、「配当」ですが、よくご質問を受けるのは、配当可能利益はどのように計算するのか?という点です。

 

例1)過去、継続して損失(前年度末繰越欠損100)を計上してきたが、当年は初めて利益(当年度利益50)計上ができた。

例2)過去、継続して損失(前年度末繰越欠損100)を計上してきたが、直近の事業年度で

大幅な利益(当年度利益150)計上を達成し、過去の繰越欠損を一掃することができた。

 

  上記の場合では、例1では配当は認められず、例2では留保利益5050150-100)について、配当することが認められます。上記の留保利益は年度監査報告書の貸借対象表の「未処分利益」という項目で確認可能です。

 

  ただし、過去、中国会計事務所の年度監査を受けたお客様で、本来、未処分利益の10%の積立(資本金の50%まで積立が要求されています)が必要となる準備基金の積立がなされていないケースもありましたので、準備基金控除後の未処分利益となっているか留意が必要です。

 

  一方、減資については、古くから規定そのものは存在していましたが、実務上、許可が得られないとして、検討はされるものの実行見合わせ、ということが一般的でした。

今回、お客様から問い合わせを受けて、当局に確認したところ、認可の保証はできないものの、申請は受理する旨の回答を受けています。実際にやり取りした担当は、申請に必要な「一定の条件」さえ整えることができれば、申請して認められるのでは?という印象のようです。

申請に必要な「一定の条件」とは、

・資本金を全額払い込んでいること

・減資の公告後45日経過後に、申請手続きを行うこと

・債務の清算或いは債務担保証明書を提出すること

が主な内容です。

 

  上記は上海での話ですが、他の地域でも同様の動きがある可能性はあるので、余剰資金をストックされているお客様におきましては、確認・検討の余地があるかもしれません。